くじらの復活は、日本の水産業界の切り札
ここ最近、鯨は捕獲規制が少しずつ緩和されてきたように感じております。日本近海で水揚げされるようになり、私どもの魚市場でも東北地方から多くはありませんが鯨が入荷し、セリ場に並びます。
鯨については、私も専門外で、その種類や加工・流通の形態が数多くあり、勉強しないといけないと思っております。「ふく」ならトラフグ、サバフグ、シマフグなど色々あり、どの「ふく」が刺身や唐揚げ、鍋などに向いているか、わかります。鯨もやはり美味しいものは値段が高い。とはいえ、自分自身が購入する時は、おいしくて少しでも安くと欲張って、なかなか満足できないものです。やはり鯨は鯨を知る小売店や料理屋でいただかないといけません。
さて、これから魚が減少するという予測や見通しが多く、少なからず心配になっています。その原因として、海の食物連鎖の頂点にある「鯨くん」がイワシやサバなどの小魚を大量に食べるため、と言われています。魚の資源を守るためには、鯨類資源を把握して計画的に捕獲しないといけません。資源にやさしい持続的な商業捕鯨が再開されれば、鯨の消費開拓が活発になり、鯨料理が復活し、日本の食文化にまた華が咲くと思います。
昔から食欲旺盛な若者は、安くてボリュームがある食べ物を好みます。ファーストフードやコンビニで育ってきた現代の若者は、そうした傾向がより強いようです。若い人たちのニーズに応えるためにも、鯨が必要です。
牛肉や豚肉よりも、鯨肉はヘルシーで健康的です。安心安全の面からも鯨は注目ですね。戦後、日本人の胃袋を満たしてきたのは鯨でした。私もその世代です。鯨カレーは大好物でしたし、鯨の竜田揚げも大好きでした。そして、鯨復活のためには卸売市場で昔のように流通されるようにならないといけませんね。市場の取引そのものが、最近はセリ入札より相対取引が増えています。市場の基本はセリです。その基本に戻るべきと思うのは私だけではないでしょう。どこの市場でも鯨がセリ入札で取引されるようになれば、自然と鯨のプロが増えるでしょう。鯨の復活は、日本の水産業界の切り札だと思っております。
2007年いさな会報より抜粋
次は≫ 米国先住民マカ族の人々と鯨